とちぎ教科書裁判通信

大田原市の扶桑社版歴史・公民教科書採択取り消し裁判の私的記録集

2017-09

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アジアの平和と歴史教育連帯 声明

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<以下、転送歓迎>



植民地支配を正当化し戦争を賛美するもう一つの「あぶない教科書」、

自由社版教科書を検定合格させた日本の文部科学省を糾弾する





2009年4月9日、日本の文部科学省は、「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、「つくる会」)が、自由社という出版社を通じて検定申請していた中学校歴史教科書(以下、自由社版教科書)が検定に合格したことを発表した。

この決定は、次の2点において大きな問題を含んでいる。一つは、歴史を歪曲していることで有名な既存の教科書とほぼ同じ内容を含みつつ、改悪まで加えられているもう一つの教科書を、新たに検定に合格させた点である。このことにより、日本が政府レベルで歴史歪曲に対する明らかな支援を行っていることが明らかになったと言えよう。もう一つは、より根本的な問題として、2005年に韓国が歴史歪曲の是正を求めたことに対し何一つ応じないまま、既存の歴史歪曲の内容を再び検定に合格させたという点である。このことは、隣国との友好関係を損なうばかりでなく、日本における健全な歴史認識の形成にも逆行する、もう一つの歴史歪曲だと言わざるを得ない。



この度、検定に通った自由社版教科書は、扶桑社版教科書の内容と極めて類似しており、歴史認識と記述の面で同様の問題点を含んでいる。

第一に、韓国や中国などアジア諸国の歴史について蔑視するような記述が散見され、朝鮮半島への侵略と併合、植民地支配に対する根本的な反省は認められず、むしろ日本が朝鮮の近代化を助けたのだと強弁を振るっている。第二に、戦時体制に関する記述においても、創氏改名、徴用、徴兵等について短く言及するに留まり、日本軍「慰安婦」をはじめ、朝鮮半島の人々が受けなければならなかった苦痛について、その実態にかかる記述や反省が含まれた内容にはなっていない。一方では、戦争に献身した日本国民を大いに称えている。戦争を賛美し「日本の戦争は正当だった」と教えることで、再び戦争に命を捧げることのできる国民を育てようとしているかのようだ。第三に、日清・日露戦争をはじめとした帝国主義侵略戦争を美化・正当化している。共産主義とファシズムを二つの全体主義として規定し、強く批判している一方で、天皇制ファシズムという全体主義的抑圧体制については、政治体制として悪くなかったとし、転倒した歴史認識を露骨に示している。



一部、加筆修正された中には、より改悪された部分も見られる。

神話における天皇があたかも史実のように記述され、近現代の文化が「明治の文化」、「大正の文化」、「昭和の文化」と時代区分されるなど、天皇中心の歴史観を強調している。特に「昭和天皇のお言葉」が新しく掲載されるなど、天皇の平和的なイメージを巧妙に際立たせることで、侵略戦争とファッシズム支配の最高指導者であった天皇の責任を隠蔽している。植民地支配の記述では、朝鮮人の抵抗が存在したことについて言及しながらも「開発」政策を強調することで、植民地近代化論を主張している。



1982年の教科書検定において侵略事実を隠蔽しようとしたことに対し、アジア諸国から強い抗議が集中したことを契機に、日本政府は教科書検定基準の中に「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」という条項(近隣諸国条項)を設けた。しかし、自由社版や扶桑社版の教科書は、明らかにこれに反したものとなっている。そればかりか、これらの教科書では、国際的に通用しない偏狭な「日本国家への誇り」や歪んだ形の「歴史への愛情」が強要されている。



2001年以降、日本の中学校歴史教科書は全体的に後退したと言える。

その背景には、歴史歪曲を目論む勢力による誹謗や教科書攻撃、「つくる会」等と連帯した政治家の介入・圧力の影響があったのだが、根本的には、日本の歴史教科書が右傾化することを望む文部科学省の間接的な介入が作用した結果だと言える。

扶桑社自らも「完成度が低く」「内容が右寄りだ」と評した本、そしてそれと瓜二つの自由社版教科書を検定に合格させた文部科学省の行為が、そのことを証明している。当初516ヶ所の欠陥が指摘され、教科書として適していない不合格になったものについて、文部科学省が修正を直接指示し、再提出させた上で合格させたという行為は、何を物語っているのだろうか。歴史歪曲の教科書を何とかもう1冊合格させ、教育現場に広がるよう意図したものと見做さざるを得ない。また、「つくる会」と扶桑社の内紛により、教科書自体が法廷訴訟に持ち込まれた状態であるにも拘らず、文部科学省が検定に合格させたことは、日本政府が行政当局としての体面すら顧みなかったものであり、同時に、隣国に対する配慮を示す意思がないことを露骨に表したものであったと言わざるを得ない。

こうした日本政府の政策に対し、韓国政府が未来と和合という名のもと、歴史歪曲の是正を求めることなく沈黙するようなことがあれば、これは大きな誤りだ。今回も繰り返し、誤った歴史教育の方針が貫かれ、教育現場にそのまま持ち込まれることになれば、その後遺症はとてつもなく大きく、ひいては、平和な東アジア共同体の建設という時代の潮流に逆らう結果をもたらすことになるだろう。



2010年は、日本帝国主義による朝鮮の強制的併合から100年目になる年である。20世紀の負の遺産である植民地主義を完全に清算し、文字通り平和と共存の時代を築いていくために、東アジア各国が努力しなければならない時と言えるだろう。それにも拘らず、歴史という時計の針を逆に回そうとする日本の教育当局による今回の決定は、帝国主義の植民地支配により苦痛を受けた被害者たちに、再び傷を負わせるに等しい行為であり、国際的な孤立を招き得る愚かな行為に他ならない。

これに対し私たちは、以下のことを要求し、誤った歴史を正し、人権と平和のために、アジア市民社会の連帯にあらゆる努力を尽くすものである。



<私たちの要求>

一、日本政府は、歴史を歪曲し平和を脅かす自由社版歴史教科書の検定合格を撤回せよ。

一、日本政府は、植民地支配を美化する全ての中学校歴史教科書の記述を直ちに修正させよ。

一、韓国政府は、和解という名のもとに日本政府の歴史歪曲を黙認する政策を撤回し、歴史歪曲が是正されるよう、あらゆる外交努力を尽くせ。





2009年4月9日



アジアの平和と歴史教育連帯

共同代表: 徐 仲錫 、 安秉佑 、張錫春、 成奎、 鄭鎭叙・/span>



(以下、64団体で構成)

歴史問題研究所、韓国労働組合総連盟、全国民主労働組合総連盟、全国教職員労働組合(以上、共同代表団体)、経済正義実践市民連合、基督女民会、企業銀行労働組合、韓国基督教長老会女信徒会、ナヌムの家、対日歴史歪曲是正促求汎国民委員会、大韓仏教青少年教化連合会、独島守護隊、独島有人島化国民運動本部、東北アジア平和連帯、文化連帯、三菱重工業韓国人徴用者裁判支援会、民族問題研究所、民族和合運動連合、ソウルYMCA、ソウル日本人教会、アジア基督教女性文化研究院、歴史学研究所、大韓イエス教長老会全国女教役者協議会、ウリ民族助け合い運動(Koran Sharing Movement)、自主平和統一民族会議、張俊河記念事業会、全国公共労働組合連盟、全国金融産業労働組合、全国競馬場馬匹管理士労働組合、全国女子大生代表者協議会、全国歴史教師の会、全国電力労働組合、全国撤去民協議会中央会、挺身隊問題対策釜山協議会、挺身隊のハルモニと共にする市民の会、全国基督サルリム女性会、済州4.3研究所、祖国平和統一仏教協会、参与連帯、カトリック教女性共同体、カトリック教女子修道会長上連合会、太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会、太平洋戦争犠牲者補償推進協議会、平和をつくる女性の会、平和市民連帯、韓国教員労働組合、韓国教会女性連合会、韓国基督教歴史研究所、韓国基督教社会問題研究院、韓国大学校総学生会連合会、韓国民族芸術人総連合、韓国仏教環境教育院、韓国女性団体連合、韓国女性民友会、韓国女性の電話連合、韓国女神学者協議会、韓国歴史研究会、韓国演劇協会、韓国挺身隊研究所、韓国青年連合会(KYC)、学術団体協議会、韓国基督教教会協議会(KNCC)女性委員会、興士団、21世紀青少年共同体「希望」

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プロフィール

白崎一裕

Author:白崎一裕
1960年生まれ。とちぎ教科書裁判(現在のところ結審しているので元)<本人訴訟>原告。今後の裁判を準備中、反貧困ネットワーク栃木共同代表、ベーシックインカム・実現を探る会代表。

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