とちぎ教科書裁判通信

大田原市の扶桑社版歴史・公民教科書採択取り消し裁判の私的記録集

2017-11

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「月刊ボランティア情報」11月号 市民文庫書評 『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 

『1億3000万人の自然エネルギー』飯田哲也著 講談社 本体1200円(税別)

評者 白崎一裕

本書は、福島第一原発事故を受けて、いま、まさに話題の中心のひとつ「自然エネルギー」についてその本質をとてもわかりやすくビジュアルに、そして、具体的資料をあげて解説した入門書の決定版といえる。著者は、飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所長)だ。長年、北欧のエネルギーデモクラシーに注目しながら、自然エネルギーにシフトした脱原発社会の構想を練り上げてきた第一人者である。

自然エネルギーというと、ソフトバンクの孫さんのような大規模太陽光発電(メガソーラー)の提言に目がいくかもしれない。しかし、ちょっと待ってほしい。そもそも、原発事故は、なぜ、おきたのか?原子力そのものが生物の進化となじまないのはもちろんだが、産業技術としては根本的な欠陥をかかえていた。それは、集中・独占・秘密主義という三点セットだ。日本の電力供給体制は、9電力体制(ないしは、10電力体制)という大規模電力会社の地域独占体制によって構築されてきた。そこに、大規模な資本(マネー)と権限が集中してきたのだ。これは、「原子力ムラ」という言葉に象徴的なように(ただし、江戸期のムラは閉鎖的ではない)、エリート官僚集団が情報を秘密にして市民に公開しないまま
独善的に進めてきた技術開発を促進してしまうことの原因ともなる。

たとえば、みなさんは、日本の地方には57か所の町村が100%以上自然エネルギーでまかなわれ、その町村のうち26町村が食料自給率でも100%を超えているという事実を知っていただろうか(ちなみに東京の食料自給率は1%!)。こういう具体的な地域の情報を調べ・広めることなく、ただ「電力不足です」「原発をとめると日本の産業はダメになります」という脅しの文句ばかりが目立っていたのではないだろうか。福島第一原発事故は、そういう歪んだ技術開発のもとで無理やりに経済成長してきた日本社会に根本的な転換をせまっている。

これからは、成熟社会をめざして地域小規模自給自然エネルギー体制がエネルギーのあるべき姿の基本となる。それは、エリートの独占ではなく広範な市民の参加により運営される。デンマークの風車発電は、その85%が地域の住民のもので、地域社会の意思決定と参加がなければ運営できない。まさに市民風車なのである。こいう世界の先進事例に学び、従来のエネルギー体制を自らの暮らしのリズムに合わせた、民主主義エネルギー体制に転換していこう。そのための明快な指針を本書は示してくれる。

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プロフィール

白崎一裕

Author:白崎一裕
1960年生まれ。とちぎ教科書裁判(現在のところ結審しているので元)<本人訴訟>原告。今後の裁判を準備中、反貧困ネットワーク栃木共同代表、ベーシックインカム・実現を探る会代表。

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